日経の連載小説「迷いの旅籠」(宮部みゆき著)を読んでいるのだが
「ひだる神」なる存在があるという。
山道などで急に空腹感を覚え
最悪動けなくなって死に至る場合もあるらしいが
その存在によるという。
読んでいると、なんだか自分にも思い当たる部分があって
取り憑かれた旅人の困惑ぶりなど笑える。
実際は低血糖症であることが多いらしいが
食生活を改善しても2ヶ月ほど症状が続く場合は説明がつかない。
私の場合は動けなくなるわけではなく、食欲も特に変わりなく、
肩や背中が痛くなるだけだから少し違うかもしれないが、
似たような理由によるような気がする。
たいていは2~3日で収まるが
ひどいと2ヶ月、どうやっても取れない。
そうなった場所を思い返すに
たいてい大きな墓地や鎌倉などの古い土地、だったりする。
それも小説にあるように切り通しだったりする。
切り通しはもともと切り通さなければならないような交通の難所だから
そうした存在が居付きやすい場所ではあると思う。
さて、現在もしつこい頭痛に悩まされ中。
思い返すと大きな病院に行き、その後東京三大貧民窟とかつて言われた場所に行ってしまった。
そのせいかはわからないが・・。
このようなものにハマっているせいもあるかもしれないけど。
30年近く前に買ったまま放置していた本。
電機メーカーに就職した年だった。
夜11時過ぎまで残業とか普通で
工場の外にいるのが8時間くらいだったから
英語をやるくらいしかできなくて
そうこうするうち美大に行き始めたから
やはりこの本は放置で
その後結婚、出産、ウツ治療、再就職
ウツになった時に目が回るようになったので
本を読むと酔うようになってしまった(笑)
そして今、子どもの学校の図書館が利用できるようになったので
参考書が閲覧できるから
やっと取り組む気になった。
この本の熱狂的ファンを
聊斎癖と言うらしいが
なにかわかる気がする。
怪奇譚は
時代を超えて人を魅了するものだと思う。
水木先生、京極夏彦氏、内田百閒先生、岩井志麻子氏・・
割と中国地方の方が多いような。
特に百閒先生は本も割と読んだが
ご足跡も巡礼してたりなんかして(笑)
たまたま子どもの学校が
かつて百閒先生と芥川龍之介氏が教鞭をとった学校跡地に建てられたと知った時は感慨深かった。
というわけで、あまりのめり込まずぼちぼち愛したいと思います。
でも聊斎志異に惹かれ始めたのは
小学生の時だから
これを看過するにはいかない気もするのである。
というわけで
頭痛の原因の存在にはお供え物を。
品川宿近くの餅菓子屋にて。
野暮ったさと洗練のちょうど良い塩梅。
早く寝よう。