カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

ファンタジー

今日もお客さんから悩み事がFAXで入ってくる。
その人は先日、「金返せ!」とか勢いに任せて何枚も昼夜を問わず送りつけてきた人だったんだ。
それが急にどうしたわけなのかしおらしくなって、
字体も文面も同一人物とは思えないくらい一変して、
葉書に納まるくらいの長さで感謝の気持ちを述べてきた。
最後は「これからもどうぞよろしくお願い致します。」で締めくくられていた。

電話で話していても、こちらの話はほとんど聞いていない。
受け答えしていても、答えている最中に、一方的に電話を切ってしまったりする。

「和尚」は言う。
「そういう、他で対処できず放り出された人たちが最後にたどりつくようなところだからね。
そういう人たちを相手にしてなんぼだから。」
まあ、「寺」だから、なるほどそんなものかもしれない。

今まで「小坊主」は、似たものが揃う狭い世界でずっと生きてきて、
言われたことを確実にするのは当たり前と思っていたから、
「人の話を聞かない」人がそんなにいるものとは思っていなかったんだ。
でも、確かに、ほとんどの人はそんなに話を細かく聞いちゃいない。
適当に都合のいいよう脚色して、大部分は流しているものなのだ。

それは各人の心の中に、ファンタジーがあるからだと「小坊主」は思っている。
幼少時、非力ながら生きられたのは、ファンタジーの強い力で守られていたからだ。
大人になっても、不都合な世界から心を守り、生き抜く力を与えてくれる。
それは生きる為に不可欠だが、厚すぎるファンタジーの殻は、
時として目的にたどりつくことを阻む壁になる。

先のお客さんにしても、本人には不都合のない世界なのだ。
夢の中で、脈絡がなくても、すべて納得がいくように。

でも怖いよね、そこまで自分のループに入り込んでいるということは。