カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

街の明暗―ため息

先週末、ちょっと病院で検査とかをして、
ただ帰るのももったいないから下り電車で終点まで行ってみたのでした。

終点っつっても、支線の終点で、他の線もつながっているんだけどね。

一応駅名は伏せておく。
場所は藤沢市ね。


寺にいたころ、本の調査の仕事で
何度か来たことがあったんだけど、
駅前のビルにあった大きい書店は、もうなかった。

いくつか大学もあるせいか、こじゃれたレストランも喫茶店も多い。

特に、ケーキ屋が多く、そのレベルがみな高い!
藤沢市は全般にそうじゃなかろうか?

どこもおいしそうだったけど、
なんとなくそんなにコッテリ甘いものは食べたくなかったので
屋台みたいな店でワッフルを持ちかえりした。


ブラブラついでに小田急線で北上し、別の駅で降りた。

ここは、あえて駅名を伏せるね(笑)。

ここも2本の路線が交わるところで、主要駅ではある。
上の駅と同じく、寺にいたころに何度か仕事で来た。

でも、同様に本屋だけに用事があったし、他に何軒も回らなきゃならなかったから
付近をブラブラする余裕は、なかった。

なんとなくひなびた風があって気になっていたから、
駅から見渡せる通りのすべてに入ってみた。


すると、ほとんどが飲み屋街。

駅付近には、マクドとかケンタとか、ミスドにモスとか、
ファストフード店はあるのね。

商店街を進むと、おばちゃん衣料の店や金物屋等、
だんだん古臭くなってくる。

でも、主流は呑み屋。


駅の反対側にまわると、綱島温泉といい勝負の
ひなびたラドンセンターがある。

さらにライブハウスと称して、
店頭に流しの歌姫(???)のお名前が4名ほど。
なんとなく源氏名っぽい、カタカナ名。

場末っぽくて、興味をそそられる。

そしてこぢんまりした下着屋が一軒。
おばちゃんパンツばかりと思いきや、
ウインドウにはヨーロッパのメーカーのポスターも。
シャンタル・トーマスまで揃えてある模様。

誰が、買うのか?

極めつけは、営業中なのに人気がなく
暗いガラスの向こうにシャンデリアがほの見える喫茶店
(「フロリダ」とか「カトレア」とかそういう名前)。

2階の端っこで、長い髪の50過ぎとおぼしき女性が
眉根を寄せながら、じっと外を見てる。

・・怖過ぎ(T◇T)。


気がつくととばりは降りていて、
駅前には呼び込みの黒服が。
中には女子高生らしき姿もある。

なんとなく、逃げ帰る。

ここがなぜ主要駅なのか、不思議だった。
この路線は、大正頃には軍用列車だったと聞いたことがあるが・・


大人の、憂さ晴らしのための街。

先の展望が、明るくなさそうだったから。
街が、夢を育む土壌を持っていそうになかったから。

伊勢佐木町にだって歌舞伎町にだって、夢はある。

私が育った街は、もと赤線街だった。
それでも、夢はあった。

ここには、それがないのだ。

あるのは、ため息だけなのだ。