カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

忘れ去られた女性性

相当前後して

先月末の話になってしまうが

 

某デパートの展示のタダ券があったので行ってきた。

 

「お菓子研究家の今田美奈子氏によるストーリーのあるテーブルセッティング」

的な展示だった。

 

 

デパートの展示と侮っていると、相当品目も多くて見ごたえがあったりし、

相応に時間が取られる。

 

最終日の閉館30分前に滑り込み

やや気忙しかったが、端折り気味で一通り見た。

 

 

バレンタインやクリスマス、「星の王子様」や王妃エリザベートなど、行事や小説、歴史上の人物をテーマに茶器や花、お菓子などがテーブル上に展開する。

 

 

最初はタダだからいいか、みたいなノリで向かったのだが

 

タダ券は数あれどほとんどの展示にはわざわざ足を運ばないのだから

それなりに魅かれる要素があったとは思う。

 

 

 

今田美奈子氏といえば、お菓子作りの大家。

 

 

お教室やイベントなど幅広く開催されているが、

私の世代くらいの人は、10代の頃この方の本を

一度は手に取られたことがあるのではないだろうか。

 

 

母親の使っていた「いかにも昭和」なお菓子作りの本に慣れた目に

 

 

美しいストーリー性あふれ、ヨーロッパの香り漂うお菓子本は

 

天変地異とも言えるような大きな衝撃だった(笑)

 

 

しかしそのレシピはバターやお砂糖たっぷりで絹のように上品な味わいを作りあげるだけあって

 

生地の扱い辛さは中学生の手に余るものだった。

 

 

というわけでそのレシピを参考にしたのは数える程度で

ふたたび母譲りの昭和な菓子本に逆戻りし、

 

今田先生本はもっぱら目の保養に使われることとなった(笑)

 

 

今でもそれらは捨てられずにとってあるが

見返すと、挫折した数々の苦い思い出が(笑)

 

行間に浮かび上がるのだった(爆)

 

 

いま見てもその中のお菓子は装飾も古びれず魅惑的なので

 

それだけレベルの高いレシピだったのだろう。

 

 

その記憶が脳の片隅に残っていて

今回わたしを会場に向かわせたのだと思う。

 

 

 

今田先生のテーブルはますます華麗に展開されていた。

 

 

さくっと気軽に見て出ていけるものと思い

終了時間まぎわに駆け込んだが

もったいないようなセッティングで

 

 

ここまで自分の思う何か、を目に見える形で再現されることに敬服した。

 

 

そこには大切に育まれた、女性としての美意識があった。

幼い頃から手折られることなく、ブレることもなく、

まっとうな努力を重ねて守られた強い意思があり、

その豊かさに圧倒された。

 

 

まさに、虫のつかない大輪の薔薇。

 

 

私の中にはみつからない要素である。

 

 

 

前後して、先日「徹子の部屋」に

バレリーナであり振付家である牧阿左美さんが登場された。

 
 

80を過ぎて、8センチ以上のヒールを美しく危なげなく履かれていた。

 
 

こうした方々が、日本の女性の女性性を育てていたのだと感じる。

 
 
 

「ベルばら」の池田理代子氏しかり。

 
 

中高時代、女言葉をまったく使わなかった

乾ききった私のような人間ですら

 
 

彼女らの提示する女性性に反応するのだ。

 
 

彼女たちがいたから

私が女性らしくなくてもなんとか大丈夫と思えていた。

 

そして彼女たちの表現に反応できる自分がいるから

まだ自分は女性だと思えた。

 
 

彼女たちのような人に

勲章を与えるべきである。

 
 

私はいまのところ

子宮筋腫で苦しむことで

かろうじて自分の女性性と向き合えるような人間なのだから。

 
 

そんな人間の女性性に訴え、目立たぬ場所で支え続けてきたのが

彼女たちなのだから。

 
 

美しい音楽、絵画に囲まれ

美しいテーブルにティーセットでいただくお茶とお菓子は

どれだけ自分の支えになっていることだろう。

 
 
 

安倍晋三が「一億総活躍」を提唱するが

 

強制労働や学徒動員のようなスローガンに感じてしまうのは私だけだろうか

 
 

経済動物からはムダと考えられる場所に

芸術家、そして多くの女性、子供達がいると思う。

 

もちろん私も。

 
 

ソビエトのような共産主義

どの人間がどのような才能を持つか的確に見抜いて

 

好き嫌いでなく向き不向きで職業を決めさせた。

 

アイススケートプルシェンコの職業は

そうして決められたと聞く。

 
 

ソビエト方式のほうがずっとマシだと思えるようなことを

総理が言っているような気がしてならない

 

みなが同じ、つまらない経済活動に向かわせられるような世の中にならないことを強く願う。


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