(「ヤフオクで 汚れた心に カツ入る(その1)より続きです。)
結局、最後のお客は中学生らしい女の子。
やや幼い感じで、もしかしたら小学生かもしれないが、おそ松さんバッジがカバンについているので、やはり中学生か。
オタクの入った、同類の匂いを感じる。
お友達と二人で来て、初見で
「銀魂か・・」
とつぶやき、そのまま去っていった。
その後こちらを気にしつつ2~3週周りを巡って、ご友人に
「ねえ、どうするの? そろそろ決めなよ。」
と言われ、ようやく近づいて、
「DVD、もう2枚持っているんですよねぇ。見てないまま放置だけど。」
と言って、思い切ったように値切り、満足そうに帰って行った。
そうだった。銀魂のファンは、女の子が多いのだ。
再従妹もいま中学生、銀魂の大ファンで、おじいちゃん(私にとっては叔父)のお葬式なのに、ついつい精進落としの最中盛り上がってしまった。
なんだかやっと、行くべき場所に自分の持ち物が行ってくれた気がする。
昔の自分のような人。
こういう人にもらって欲しかったのだ。こういう人の助けになりたかったのだ。
助けに、とは、おこがましいかもしれないが、一度きりしか見ていないDVD1枚が100円なのだから、それほど腹の痛む額でもなかろう。
そして顔も素性もわからない、心づかいも感じられないような男を儲けさせるのも癪だと思う自分は、器が小さいのかもしれないが。
男性でも、自分が使う、読むといった目的なら大歓迎だが、そういう人はおのずと応対が違う。
好きなものを買う時には、よろこびがこちらにも伝わるからだ。
転売の人は、きわめて事務的に対処してくる。
その人が好きなのは金で、それだけが目的だからだ。
やっぱり私は女性に幸せになってもらいたい。とどのつまりは自分に。
ささやかなやりとりは、図らずも自分を大きく満たし、幸せの余韻となって包んだ。
(「6月17日オーロラモール・パステル画」の項に、拙作の出品の様子が取り上げられています。残念ながら絵は一枚も売れませんでしたが。)