カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

ボケボケ

もう、ひと月近くもお休みしてしまいました。
春なのに寒い日が多いですが、お元気でお過ごしですか?

先日、寺で一緒に仕事をしていた人と、お食事しました。
しゃぶしゃぶをつついたあと、秋葉原のバトラーカフェに入りました。
バトラーは、何と訳したらいいのでしょうね?
最初は執事喫茶かと思ったのですが、接客してくれる男装の麗人が、
戦闘ものアニメの服みたいなのをつけているので、戦士かなとも。

そのお店が、以前寺のあったビルのほぼ真正面にできていたのです。
当時、そんな風に目の前のビルに来ることがあろうとは、
考えもしませんでした。

彼女と、よく買い物に来た店の前を通りながら、寺でのことが
あまり触れたくないことになってしまっているのを感じていました。
「もう、あんなことしたくないですね。」

彼女は新しい職を見つけ、元気に働いていました。
行政書士事務所にいるらしいですが、ちょっと異色な仕事内容なのが
彼女らしい。変わった仕事を見つける才能があるのかもしれません。

彼女はすっかり過去のことが整理できていて、
「夢の中のことのようですね。」
と表現。
わたしは、まだちょっと整理がついてないですね。
もう、完全に過去のことですが。

奇しくも彼女も、和尚と秘書の関係を、
「そこだけほの明るい、地獄に咲く蓮の華」
と、表現していました。

彼らが毎年夏の初めにする恐山参りを、私は『敵状視察』と思いこんでいました。
同業他社がどのように営業するのか、参考にするのだと思っていたのです。
「あれ、不安だからですよね。成田山に行くのも同じで。」
どうやら彼らは、そこに祈祷(というかお祓い)を受けに行っていたようです。
「自分たちがしているのと同じことを、他でしてもらっているんですよ。」

いつか和尚は言っていた。同業他社に「祓ってくれ」と泣きつかれたと。
その時和尚はその人に、
「おれが祓ってやったら、お前、看板降ろすんだろうな」
と言ったらしい。
「この業界で生きていくなら、そのくらい自分で処理できて当然だろう。
それができなければ、やめるくらいの覚悟はできているんだろうな。」
そしてその人は、仕事をやめて去っていったそうな。

なんてヤクザな言い草だろうと思いながら私は聞いていたが、
そんなものなのかな、とも思った。
そうしたら・・自分も祓ってもらっていたんだね。

彼女は続けた。
「それに、敵状視察のために、あれだけ行きにくい場所にわざわざ一日かけてなんてこと、
毎年繰り返すと思いますか?」
「そうですね・・あれだけ合理化を叫ぶ人がね。」
「そうでしょ? それは、余程のことがあるんだと思いますよ。」
「余程のことって、なんでしょう。」
「知りませんでしたか? 彼らには、そうしなければならない理由があるんですよ。
2人にしかわからない負い目があるんです。
それは、共通の知人を亡くしているということでしょう。
直接でないにしろ、たぶん彼らのせいで、人が亡くなっているんです。」 
わたしは、そのことばが飲みこめなかった。

「お互いが弱みを握っているんですよ。だから彼らは別れられない。」
「でも、あれだけ『反省』という言葉から遠い人たちが、悔やむんですか?
何一つ反省などしていないでしょう。」
「だから、それほどのことなんです。やっぱり一応人間だし、
それほどのことをしたということです。」

「わたしは、色情因縁で別れられないのかと思ってたんですよ。」
「色情因縁って何ですか?」
「和尚が、秘書をあげまんだと信じているからですよ。
そういう方面の相性がいいからだと・・」
彼女は、笑っていた。

「専務も、Gさん(以前一緒に働いていた女性)も、それには気づいていましたよ。」
自分が、そういう風にしか見られないことにもいささかショックであった。
やはり、自分の中にないものは、見えない。

「自分って、一体・・」
「他の人に興味がないっていうのも、いい資質じゃないですか、
それはそれで。」
「・・・」

彼女はフォローを入れてくれましたが、全然気づかずボケボケで働いていた自分は
ちょっと情けないです。
彼女は、もっといろいろなことに、気づいていたようでした。


ここで、とても残念ですが、一度ブログを閉めようと思います。
ほとんど休んでばかりでブログの呈を成さず、生き恥をさらすのもどうかと・・
いえいえ、引越しも控えており、身辺整理に手間取っている故なのですが。

拙い文章にも関わらず、ご精読いただきまして、ありがとうございます。
今までにいただきましたたくさんの励ましのお言葉に、心より感謝申し上げます。
再開のあかつきには、また、ぜひよろしくお願いいたします。

どうも、ありがとうございました!

カノンはじめ