先日、武井武雄刊本作品を拝見する機会があった。
所有者は昨年受講した、豆本作りの先生だ。
本の可能性を試すような様々な手製本はどれも美しく、可愛らしかった。
その神経の届いた作りに、「A型文化」とでも呼びたくなるこだわりを感じた。
作る側にも、収集する側にも。
彼らは緻密で美しく整ったものを愛する。
曖昧さや適当さはあまり好まない。
日本人の40%はA型だ。
息を止めて作られたかのような精巧さを愛でる日本人。
時として息苦しいまでにその感覚は厳しい。
私などは少数民族B型でいいカゲンなので、そのように感じてしまう。
なお美大の油絵科、私のいた時はほとんどA型だった。
意外かもしれないが、形にこだわる血液型らしいという気が私にはする。
B型は理系に多いのだ。
私のいた学科は電子系だったが、ほとんどBとABだった。
同学科の女子は全員B。
計算機科学科の女子は全員Oだった。
これが会社のソフトウェア設計だと、ほとんどAになった。
Bはソフトをやめろ、とも言われた。
余談だが野球チームにいた頃も、Bは向かないと言われていた。
向いているのはOらしい。
閑話休題。
そのような精巧な手作り品が日本ではアートと呼ばれることも多いが、本来そういうものは工芸の範疇であると思う。
アートというのは、人間の存在そのものが現れたもので、工芸とは違う。
しかし武井武雄の刊本を見ていると、その辺りの感覚があやふやになってくる。
かなり実験的な本であるし、一つとして同じ作品はない。
工芸とも断じ難く、またアートでないとも言い難い。
用の美であるところから、やはりアートではなく工芸の範疇であるとは思うが。
私は愛好家でもなくあくまで作り手なので、自分とは違った筋のものと感じるし、収集しようとも思わないが、範疇はどうあれそれらはとても美しく可愛らしく、どこか惹かれる。
その一つ一つに確かな世界と息遣いを感じるからか。