カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

宝の山!

イリヤッド」全15巻、読みました。
ビッグコミックス 画・魚戸おさむ 作・東周斎雅楽

わりと最近連載が終わったものなのね。

アトランティスの謎を追うという考古学もので、最初興味がなかったんだけど、
因幡の白兎に関する逸話や、九州地方に伝わるテングの話など、
なんとなく身近に感じられる部分から、少しずつ入り込んで行ったのね。

あんまり言っちゃうとネタバレになるので、控えるけど、
これは「夢」のお話ね。

ちょっと複雑で、私自身理解不充分なところもあるんだけど、
真実を探ろうと夢を持って挑む主人公の学者イリヤと、
アトランティスの謎を隠蔽しようとする組織との絡みが見所の一つなのね。

その組織の親玉は、もともとバチカンの人だったわけ。

その人は、「夢」が見られない。

ここで「『夢』が見られない」とは、
一つの現実に縛られてしまったことを、言うような気がする。

で、その組織は、なぜ事実を隠そうとするのか。
その理由は、「ええーっ!?」なのね。

「こんなことのために!?」なのよ。

でも、西洋社会には(いや、日本の社会ほか、あらゆる文明社会で)、
「こんなこと」を当たり前としている人たちがいて、
その人たちはそれを当然と思っている。
(言ってることわからないよね? 抽象的過ぎてごめんね。)

「そんなこと」に、わたしたちは、どれだけ苦しめられて来たことだろう。

でもそんな「思い込み」のために、
事実を曲げてしまうのが、人間だと思うのよ。

事実を、受け入れられない。

でも、夢は、そこから飛び立つ翼なのね。

もう一つ面白かったのは、ここで取り上げられている言葉が、
一つ一つ自分の中にあったキーワードと一致して、自分の中の謎解きをしているようだったから。
アトランティスキリスト教バチカン、夢、ウサギ…
自分の中に無意味に散りばめられた言葉の一つ一つが繋がり、
そして意味を持ち始めたから。

わたしはそれらの言葉をずっと、「なんで?」と思いながら
長い時間持ち続けていた。

読むべき時に、読んだのだろう、
この話を読むべきだったのだろうと思った。

そして、自分はずっと、「謎解き」をしようとしていたのだとわかった。
この本の内容を理解することではなく、アトランティスの謎探しに主人公と共に
挑むことではなく、ただ自分の謎を探るのが目的だった。

この本は、媒体だった。

どんな本も、どんな映画も、どんなシチュエーションでも、
自分の謎を解くためのヒントを探していたのだろう。

そして、自分の中こそ、宝の山と知ったよ。

一人残らずだれしもの心の中に、謎が、宝が、埋もれているのだと思う。

それを、探せばいい!!

(しかしね、世界史不得意な私は、人物や土地名が全然頭に入ってくれなくて
読み返しの嵐、えっらい苦労して読み切ったのであった。)