さすがの忙しさに、とうとう専務も倒れました。
秘書は休みで、和尚を除けば、職場には小坊主一人。
「いよいよダメかなぁ。やっぱり、人入れなきゃいかんですかね。」
今更気づいたかぁー! その通りじゃぁーー!と
また一人ツッコミをする小坊主であった・・。
和尚にとってめぼしい人は4人。
Dさん姉妹と、Eさん姉妹だ。
「今のところ遊んでるのは、その人たちぐらいだからね。」
両方とも美人姉妹で、特にDさんは自由人で、小坊主も親近感を覚える。
しかし自由過ぎて、午前からの出勤が難しいという。
それに住んでいるのが遠過ぎて、月イチならいいけど、週イチはムリとな。
かたやE姉妹。
これが秘書と折り合いが悪い。
Eさん、特にお姉さんは元バリバリのキャリアウーマンだ。
結婚して、子づくりに専念するため退職したが、切れぐあいは半端ではない。
和尚が聞いてきた。
「でもはじめさん、Eさんをすごく嫌ってるって、秘書に聞いたけど」
おいおい、それ、誰のことだよ・・
「いえ、わたしは特に。嫌ってるのは秘書じゃないですか?
正面切って反対するのもナニなので、一応適当に相槌打っていたんですけど」
「・・・やっぱりそうだよねぇ、あの人はポル・ポトのような人だから・・」
ポル・ポトかいぃ~!?
「自分より優秀な人は、みんな嫌いだから。」
それじゃ全員じゃん、と、心の中でツッコミ。
和尚が気に入らない人は当然だが、秘書に気に入られずいじめられて
辞めていった人も数知れず。
翌々日出てきた専務にそのことを告げると、
「人がいつかない理由が、和尚は全然自覚できないんだよねぇ。」
「一般の人ならなおさらだけど、会員でもムリですよね。」
「そうそう、自分たちのお金がどんな風に使われているか知ったら、失望しちゃうよ。
3日もいれば、全部見えることだしね」
とくにEさんは真面目だし、真剣に和尚の言うことを信じている。
「そこまで信じている人を失望させるのは、罪ですよね。」
「真剣なだけに、反撃するときは徹底的にやってくるよ。
とにかくこの環境で勤め続けようと思うのは、相当な人間だよ。余程な目的があれば別だけど」
専務も小坊主も、相当ってことね。
奇特な方よ、出現を待つ!!!