カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

信仰のダークサイド

匿名のクレームのメールが入っていたことは前に書いたが、
後日その人から名前入りの直訴文がやはりメールで届いた。
予想していた信者さんに間違いなかった。

一応和尚はその人にメールで返答していたが、
誠意ある対応とは言い難いものだった。
その後何も言っては来ないが、
恐らく、その信者さんは納得していないだろう。

最近、別の信者さんからクレームの手紙が届いた。
よくあるクレームではあるが、
「これだけ金をとっておいて、その後何度電話しても
和尚が不在で質問には答えてもらえない」
というものだ。

和尚の方針は、「祈祷してもしっぱなしではなく、その後の経過報告をしてもらい、
人として行うべき事をアドバイスすることで、結果を出していく」というもので、
これは良心的だと思う。
実際望む結果を出している人もいる。

今回クレームをつけてきた信者さんは、性格的にやや難ありで、
他人のちょっとした落ち度も許せず、その部分を徹底的にやりこめてしまうというクセがある。
どんな人間もそこまでやられれば離れていってしまうというところまで、畳みかけてくる。

さらにその信者さんは、マジメな性格なので、何をしたらいいか一挙手一投足まで指示を仰ぎたがる。
そのくらい自分で判断したらいいのに・・ってことすら、いちいちアドバイスを仰ぐ。
そのため、毎日毎日、一日に何度も電話をかけてくる。

てなわけで、さすがの和尚も音をあげてしまった。
おまけに一度電話がつながると、いくつも質問が出てきてなかなか切らない。
すべての時間をその人だけに使うわけにはいかないから、
よほどヒマなとき以外は電話に出なくなってしまった。

実はそういう信者さんは今までにも大勢いた。
そのどれもが男性。そしてほとんどが教師を含む公務員。

でも彼らにしてみれば、全身全霊で和尚を信じているのである。
頼れる人は、和尚しかいないのだ。
全体重をかけて信じた末、突き放されるという結果になり、
「あんなにお金を払ったのに思ったような結果が出ないじゃないですか!
お金を払おうにも、もう何も残っていません。無一文にして、不幸にして、捨てる気ですか?
でもできれば和尚についていきたい。どうしたらいいのか、指示して下さい。」
という、ほぼ似通ったクレームが彼らから来ることになる。

「」中の上の2行についてはわかる。
しかし、それでいて、なぜまだなおついて行こうとするのか。
わからないのはそこである。

その方法でダメなら、他へ行けばいい。
これだけ払ったから、いまさら他へ行けないということなのか?
損切り」ができないということか?

ひょっとしたら本人は、自分の性格に原因があることをうすうす気づいていて、
そのことを気づかせてほしいと思っている?
でも、そんな気配は、微塵もない。
和尚を信じるのと同様、いや、ちょっと疑っているから、和尚を信じる以上に
自分の正しさを信じているのだ。

文面に綴られた彼らのモガキは、痛々しい。
そこまで苦しむ必要が、どこにあるのか。

和尚を信じることで、かえってダークサイドを作ってしまっている。
魂を開放してくれるのが宗教のはずなのに、
その宗教に縛られてしまっている。

「人に頼らなきゃどうにもならないくらい自分がダメなことは、よくわかっています。」
彼らのすべてが、そう口にする。
でも、そんなはずはない。
一番問題なのは、そう信じている自分の心だ。

本当は、自分自身にすべてをどうにかする力があるのだ。