さて、表参道へ行った日、新宿のゴールデン街にも行った。
(写真は二つ前の記事「この世の端」に付けてしまいましたが・・また付けます)
行くのは初めてだったが、猥雑ながら、趣のある場所だった。
(でも、また行く気にはならないかもだけど・・)
目的は、ゴスロリックな名曲喫茶「すみれの天窓」だった。
ここは実に5年ほど前、ゴシックとロリータのための雑誌
「KERA」にて見て、ずっと来たいと思っていた。
日祝は昼12時から営業しているが、
平日は午後5時からなので、来るのが難しかったのだ。
ティム・バートンも来日の際には必ず寄るという。
経営しているのは、「黒色すみれ」という女性2人による音楽ユニット。
この2人が、とてもお洒落で可愛らしい。
装いも音楽的にも、独自の世界を展開している。
その世界観にスキがないので、プロだなと感じる。
お店の感じはちょっとスキだらけだったけど・・
(小さいゴキブリが徘徊していて、ティム・バートン描くところのミセス・ラベットのパイの店さながら、かもだけど・・)
ケーキとコーヒーの味はなかなかでしたけど、
そのケーキも、画家であるスタッフが作っているそうで
スタッフオールアーティストなのだそうだ。
お店のほうはともかく、
芸術的にそれだけスキなく世界を構築できる、ってのは才能だと思う。
想像力もそれだけハンパないんだと思う。
自身を「永遠の14歳」と称するには、やはり別の想像力が必要だと思う。
私などは想像するに照れてしまって、つい我に返り
作品などもスキだらけである。
つい現実を見てしまい、
装ってもどうにもなるものではないと諦め、目立たなく可もなく不可もなく、
といったところに落ち着きたくなってしまう。
だから私にとって、スキなく装えるというのは
どんなファッションポリシーであっても
常に尊敬の対象となる。
そこには自分を演出するための
想像力が介在するに違いないからだ。
ゴスロリックな世界観を体現している数少ないカリスマの
強力な想像力を思うと、目がくらむのである。
がが、そこから帰るとき新宿の交差点で、
熊系のおねえ、らしい2人組を見た。
出で立ちは、普通?のカジュアル。
二人とも頭髪は5分刈り、やや小太り、Tシャツにハーフパンツ、
足元はスニーカー。
なのになのに、一人がもう一人に
「思いきりわがまま言っちゃえばいいのよ、お姫さまなんだから♪」
と、言っていた・・
あのなりに、「お姫さま」って・・
言えるかい?
その想像力たるや・・
私の想像を、はるかにはるかに超えている。
どんなゴシック・ロリータも、彼らには決してかなわない。