カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

BL好きの戦士

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またもご無沙汰しております。
いろいろ飛び入りの用事が多かったもので。

パソコンも、やっと98SEからXPに替えました(笑)

さて、かなり前の話になってしまいますが
夏の終わり、執事喫茶オペレッタがあったのでございます。

池袋は乙女ロード執事喫茶スワロウテイル』のスタッフによる小歌劇でございました。
場所はほど近い小劇場『シアターグリーン』。

入口から、うるわしい執事さんたちがお出迎えしてくださるのでございます♪

たぶんいつもは殺風景な設備も、造花で化粧されて
お嬢様の空間となっている(笑)

観客席の入口でご案内の執事さんから渡された
メッセージカード♡

ななんと~
「じい」からのものであった!

字とか、か、かわいすぎる・・

うちでは勝手に「じい」と呼んでるだけで、実際は篠宮執事
歌劇団中で唯一の「じい」ポジション(笑)

若い執事ばかりと思いきや
「じい」もいたので、娘はこの歌劇を見に行くことを決断した・・

やや年長の方々も執事としてお務めだが
実はかなり人気があるのだ。

もー、なんちゅーか、かなりナイスキャラ♡
めちゃめちゃイイ味ですよ~

内容も、いい意味で期待を裏切られました。

ビックリするほど歌のうまい方がほとんど
容貌といい、どうしてこうおあつらえ向きの人々が集ったのだろうと
不思議に思わずにいられない。

そしてもちろん彼らは演じているだけで
お店での執事としての役割も演じているに過ぎない。

実際の生活とのギャップはいかばかりか・・と、つい考えてみたりする。

そして彼らはお店や歌劇ではお嬢様(我々・笑)にお仕えする立場でも
実際は彼らがスターなのである。
この主客逆転・・という逆説に
しばしば頭が混乱する。

ま、それも楽しみのうち・・


想像による楽しみは
とても精神衛生上いいものだ。

実生活では決して叶えられない
だれかに奉仕してもらうという願望が
ほんの束の間でも経験できることは
自分にとても力を与えてくれるものなのだ。

メイド喫茶やキャバクラに通うおじさんを
笑うことはできない。

そして、女のまったく登場しない
男性だけの物語は
女性にとって究極のオフタイムを意味する。

家庭と職場は
女性にとって戦場なのだ。

そこでは「女」という価値が切り売りされ浪費される。


社会は男性が作ったシステムであり
女性のためのものではない。

冷房の設定温度一つ取っても
それは男性向けになっている。

最近は節電で18℃などに設定されていることはあまりなくなったが
その室内でひざ掛けやカーディガンを使っている女性に気づく男性はどのくらいいただろうか。

自分にとって当たり前のシステムにいるうちは
そのシステムを意識することはできない。

システムが自分に合わないと感じる時
それは初めて意識される。


システムから外れた人には
そのシステムがよく見えている。

社会的弱者である女性や青少年には
居心地の悪さがよく意識されている。


しかし社会の中核をなすおっさんたちは
「女子供になにがわかる」
と思っている。

「女子供は、俺たちに食わせてもらっている
ぶら下がりの気楽な奴ら」
と、思っていることだろう。


実際には社会的に立場の弱い人にほど
権威(=おっさん)の虚構や人となりがよく見えている。

情報はカーストの上から下に行くからである。

ちょっとズレたが
女性は社会でも家庭でも
男性に合わせて当たり前と思われている。
(もちろんどこにでも例外はあるし、そうした立場から自由になっている
女性もいるはずだが)

当たり前すぎるので、そう意識していない男性もいる。

女たちはその意識を汲んで動く。
その期待から自由になるのはなかなか困難な道である。


しかしボーイズラブ(BL)には、女性が演じなければならない役割は出て来ない。

そこではあらゆる圧力やしがらみや期待から自由になれるのである。

ただ女性が好きなように、彼らを動かし、高みの見物を決め込むことができる。

実生活上の自由は困難な道であるが、ここでは虚構ながら
束の間の自由を手に入れることができる。

いわば出来合いのリゾートである。

そしてその虚構のリゾートは、無意味ではない。

子供がファンタジーから実生活に立ち向かう知恵を得て行くのと同じように
女性もそこから束縛に立ち向かっていくのである。

これは、極めて生産的なステップである。


BLに入れ込むのは、繊細すぎる人、ブスな人、極めて厳格な家庭で育った人が多い。

社会的に困難を強く感じている人々だと思う。

特に容貌の美醜は、社会的待遇に如実に反映する(笑)。

しかし彼女らは、BLというファンタジーの場に力を借りて
現実に向かっていこうとしているのである。

ブスであろうと、BLの場ではまったく問題にならない。


彼女たちは、真の戦士である。

私は彼女たちに、深く敬意を表する。
そして心からのエールを送る。


にしても、歌劇が終わった後
執事さんたちが劇場の外でお出迎えし、
ひとりひとりにあいさつしてくださるのである。

あれには参った・・

それも一番お気に入りのフットマンにあいさつして貰えそうになり
つい恥ずかしくて、そそくさと逃げ去ったのである。

現実とファンタジーは、乖離していて、いや乖離していたほうがよいのかもしれない。(汗)

(なおオペレッタのストーリーは、BLではありません。
また、写真のなめこクッキーはこのお店のパティスリーで売られているもので
ルバーブジャムと並んでたいへん美味でした)