カノンはじめの「隠れたところもあまねく照らす」

祈祷師の下で事務員をしていた時に見た世の中の裏側や、バンパイアと暮らしていた時のこと、その他スピリチュアルなことやヒーリングなどについて主観的に綴ったブログです。

闇を見据える人

先日出会った人がいて、そのことから
昔のことをいろいろ思い出した。

昔なかよくしていた友人たち・・
そのほとんどは、今は音信不通だ。

ほとんどが自分のせいだと思うが、
決裂は、人生のフェーズが変わる頃にやってくる。

もう一緒にいる理由がなくなるから、なのだろう。本当のところは。


つまり、どちらが悪いということもない。


それでも何かしらの痛みは残る。

その感覚を洗い流すことが必要と感じた。
もういらない感覚なのだ。



その中でも特に大きい影響のあった人、
それがKだった。

彼女とは美大にいる頃知り合った。


その知り合った時のことを、彼女は
「運命」
と言った。

いろいろと悔恨の残る出会いだった。


彼女はまったく見知らぬタイプの人間で、いまだに似た人には出会わない。

完全な芸術家タイプだったと思う。

私は彼女に興味はあったが、彼女が近づいて来なければ、恐らくただの知り合いで済んだと思う。

とても近づけるように思わなかったし、
近づいてもうまく付き合えるとは思わなかった。

あるのは途方もない恐怖だったと思う。

もしかしたら近づいて来たのは私の方だと、彼女は思っていたかもしれない。

それは、私が当時仲よくしていた人が、彼女に近づいたからである。

私はとにかく穏便に済ませたく、通り一辺の付き合いに済ませるつもりだった。

私は何より自分の問題で手一杯だったし、なるべく一人でいたかったからだ。

しかしどういうわけか、私たちはひんぱんに手紙をやり取りし、たまには会った。

私が彼女に近づくのをためらったのは、
その雰囲気のダークさ故だった。


絵はものすごく上手かったが、描くものが禍々し過ぎた。


先日思い立って彼女の名前で検索してみると、関係あるのはわずかだったが、彼女のと思しき絵が出てきた。

明らかに、一見してヤバい絵だった(笑)。

魂も明らかに入り美しいのだが、
正直、魔物が書かせているとしか思えない。

その作風に変わりはなかった。

彼女自身は案外無邪気な人間なのだが、
絵を見せられて感想を求められても
「すごい」
「美し過ぎる」
「魂が入っていて生きているようだ」
くらいは言えても、それ以外の、自分が最も強く感じていることがどうしても言えなかった。

それがいつも自分に重くのしかかっていた。

内心彼女が怖くて仕方なかった。

終盤、
「あなたは結局私のことを好きになれなかったみたいだ」
と言われ、自分はわかりやすく自分より弱いものしか愛せないことを知らされた気がした。

「恐怖を見据え、暗闇に目を凝らせるのはただ強者のみ」
と彼女は言い、私は弱者と思い知らされた。
「恐怖に対する好奇心に抗うことはできない」
的なことも。

私は恐怖があれば、とっとと逃げるチキンである(笑)。

彼女も私に対して恐怖を感じると言っていたのだが、

一体どこが怖かったのか謎である(笑)


彼女は天目が開いていて、それにより見えるものを描いていたのだと思う。

しかし、私には魔物を見つめる勇気はない。

もしそれが見えていて、それしか描くものが思いつかなければ仕方がないのかもしれないが、

私にはとても手に負えない、

そんな感じがあった。


彼女の絵を見ると、当時の戸惑いが蘇る。

いまだに消化し切れていないのだろう。

イメージ 1

(写真は曙橋で食べたインドカレー)