TVKで今、「俺たちの旅」という
昔の青春ドラマを放送している。
見ていて、ちょっとこっぱずかしい感じもあるが
いろいろと懐かしい。
最初の放送当時、私は小学生なので見ていないが、
たぶん高校生くらいになって、再放送を見たのかもしれない。
と言っても、ストーリーも覚えていない。
見ていたという確かな記憶もなく、でもキャスティングは記憶にあるので、見てはいたんじゃないかと思う。
弟は観ていて、あの内容をかなり好きだったというからには、たぶん彼は中学生で、そうすると私は高校生の頃だが
私は乖離性障害真っ只中だから、覚えているわけがないのだ。
いま観ていて思うのは、中村雅俊が若いなぁ~と(笑)
そして皆、若いな~ということ
名古屋章も生きている。
さらにあのファッション、時代感
新宿のビル街とかを見ると、あの頃は最先端だったんだろうな、とか
舞台は吉祥寺のようだが、背後を通る列車が
また古くて重たい。
国鉄、って感じだ。
中央線はオレンジとかでもなくて、昔のチョコレート色
私が記憶している頃の南武線と同じ(笑)
本放送の時は私が小学6年生だから、確かにその色だと思う。
担任の先生が山好きで、年に2回ほど山登りに連れて行かれて
高尾から硬券を買った記憶がある。
さらに中央線にはドボン便所が付いていて、子ども心にかなりショックだった。
橋とかもかなり簡素で、ここは東京なの?というのどかさだし
でも井の頭公園の噴水は、今も同じなんじゃないか(違ってたらすみません)
で、一番懐かしいのが、あの空気感
フィルムの状態とかもあるだろうが、
空気が濁った不透明感
それが何よりあの時代らしい。
空気が汚かったのだ。
私の記憶する幼少時の風景は、みな黄色かった。
川崎だから、もっと汚れていた。
30ン年前、私が就職した頃は、川崎駅から10分工場まで歩くと、顔が真っ黒になっていた。
毎朝顔を拭うハンカチは真っ黒で
通ううち鼻毛がすごく伸びた。
今はおしゃれな吉祥寺駅も
ドラマ中では当時の川崎駅を思わせるような重々しさがある(いや、川崎駅の方がもっとすごかったとは思うが)
いまは鶴見線沿線に一日いても
顔が真っ黒になったりはしない。
水も空気もだいぶきれいになったのだ。
でもドラマを見ると、いまから20年前くらいに通ずる何かも感じるから
まだ20年前、前世紀末頃はもう少し汚れていたんだろう。
日本が、「上」に向かう間、たくさんの膿を生じていった
昔のドラマを見て、それを感じる。
60年代には希望しかなかったけれど
70年代にはすでに膿がある。
郷愁はあるけれど
昭和はいい時代だったわけじゃない。