前回の記事の友人は
学校の先生をしている。
医師、公務員、教師は人の厄を背負うことの多い職業というが
友人にはそうした気配が不思議となかった。
普通はそうした人と会うとき、ひどければ前夜から、遅くとも当日朝くらいからは
頭痛がしたり
体がずしんと重くなるものだが
その人と最初に会った時は
2時間前になってもなんとも来なかったから
意外に感じた。
最初に、というのは
当時は全く知らなくて
フェイスブックの同期コミュニティで知り合い、やりとりするようになった。
なので、当時はすれ違ったこともあったかもしれないが、ほとんど初の顔あわせだった。初回に挨拶やスケジュール打ち合わせをして、その後あらためてお宅に伺った。
ただ、別れた後は少し滞留感があった。
それでも雰囲気的にはあまりに軽くサッパリしていて、忙しいのだからそれなりにお疲れもあるだろうに、不思議でならなかった。
それだけに元夫の、先に挙げた職業でもないのに
このトグロを巻いたようなずーんとのしかかる、痛みを伴う重さは異様だと思わないわけにいかなかった。
元夫の在宅時間、特に夜中、体が寝て精神が起き出している時の禍々しさ、
また、元夫が不在であっても、新築だった時からしつこく居座り続ける滞留感が、どうにも重たい。
結婚という利害を伴う契約が、間にあるせいかと思ったが、
物理的な距離の近さとは必ずしも関係しないんだなと思った。
友人宅に伺って、滞在中は滞留感もあったが、帰宅すれば元に戻ったし
元夫の実家のように、滞在したら肩が痛くなったり首が回らなくなったりして、帰宅してもしばらく元に戻らなかったりすることもなかった。
元夫の実家は美容院だから
お客さんが憂さを置いていくという点では
病院やクリニックと似たような位置にある。
元姑も元夫も慢性の便秘性だった。
もちろん生活習慣もあるだろうが
家全体に滞りがあることの表れだと思う。
まあ、執着のまったくない人はあまりいないだろうから
どんな家にも多少は古いものはあると思うし、停滞感もなくはないと思うが
元夫の家は程度が違っていた。
で、先月末、「呪い返し」という講座を受けた。
主催者は広島にお住まいなので、ZOOMを使っての対面講座だった。
元夫が飛ばしているのは生き霊なので、呪いとは違うかもしれないが
とりあえず参考にしてみたかったし、もしかすると生き霊との違いもわかるかなと思ったので、申し込んだ。
結果を先に言うと、元夫は入院してしまった。
症状としては夏風邪的で、胃腸にも反応が出ている感じなので
盆休み中で退院できる程度ではあると思う。
普段は元夫に身体症状が表れる場合、周りのものはネコを含めて皆エンパスなので症状をもらってしまったりするが(おまけにバンパイアだからか、他人にそうした不都合を肩代わりさせるのが得意で、本人はわりと重症化しないのが常)
今回はなぜか他の者はいたって元気。
花も枯れていない。
まあ、偶然と言えば、言えるかもしれない。
今年はおそい梅雨明けで、涼しい期間が長く
急に暑くなったために体が追いつかず、夏バテを起こしたと考えた方が
理には適っているのだろう。
しかし、それまで幾多のプロテクションをしても
休日にごろごろすることもなく、誰よりも精力的に出かけたり机に向かって何やらしていたのに(といっても最盛期よりはだいぶ睡眠時間は増えた)
急に、家にいる時はほとんどベッドの上で横になっているようになったのだ。
と言っても、横になった状態でスマホなどをいじっているので
睡眠時間はさほど変わらなかったかもしれないが
2週間経って、胃腸症状が表れ始めて、あまり食べられなくなって来た。
かくして昨日、救急車に乗って入院するに至った。
呪い講座では、呪いがどのように発生するかよくわかり、またそれは誰にでも起こりうること、そして元夫の行動や思考体系まで納得でき、それが個性ではなくパターンであることがわかった。
そして呪いは、やはり水の滞留を呼び込むようなのである。
それで、元夫が発信しているのは、生き霊ではあるが、ほぼ呪いと言って差し支えないのではないかと思った。
さらに、その呪いの本当の矛先は、私ではなく彼の母親、つまり元姑である。
彼自身はそうと認めていないどころか、逆に母親を信じて尊敬しているつもりでいる。
その矛先が、結婚という契約によって、私に向けられているという形になってしまっていた。
また個人的に、私自身に妬みのような感情を抱いているので、それと一緒になっているのかもしれない。
細かいところはよくわからないが、ともかくそのエネルギーが彼の身内ではなく、私に向いていることは確かだと思う。
で、呪い講座で教わったことを実行し始めた2、3日は
体の滞留感がだいぶ解けてきたので、とりあえず毎日励行することにした。
それが1週間くらい経ったころ、
帰宅すると元夫はほぼ横になるようになった。
それで、呪いの出どころを確信したし、また、それは呪いだったのだとわかった。妬みや恨みと言い換えてもいいかもしれない。
しかし、私にとっては予想以上の結果だった。
正直、いい気味だと思った。
私が29年間、うつやその他、様々な症状で苦しんでいたことの
溜飲が下ったように感じた。
実際の方法は、やはりというものでもあるし、また意外なほど簡単なものでもある。
しかし、効果はてきめんだったように思えた。
そして、それまで受けてきた数々のサイキックアタックを思い返した。
よくあれだけのことに耐えてきたと思った。
もちろん相応に金もかかったし、治療や通院など、時間や手間も膨大にかかった。
最初のうつを治すのに少なくとも200万はかかったし、それで貯金はすっからかんになった。
自分の趣味とも言えるが、ヒーリングやチャネリングにも相当かけてきた。
自分にとって、結婚は戦いだった。
だから、元夫も相応の報いを受けるといいと思った。
先週末頃から胃腸症状が出ても、一応お粥などは作ったが
私は冷ややかに見ていた。
呪い返しをしても、夜中の睡眠中にはやはり元夫のサイキックアタックが相応にあったからだ。
朝はこちらが背中の痛みに苦しめられることになる。
それで、起きてからもう一度、呪い返しのステップをしてみたのだ。
そうしたら向こうの症状が悪化し、自分で救急車を呼んで病院に入ってしまった。
その後、必要なものを持ってきて欲しいと頼まれたので
一式用意して持っていったが、「絶食」という札が頭上にかけられていて笑った。
でも、身近な人間が入院というのは、あまりいい気持ちのするものではない。
いまさらいい人ぶるのもナンだが、ここまでの結果を望んでいたわけではなく
痛めつけようと思っていたわけでもない。
ただ、サイキックアタックをやめてくれればよかっただけだ。
たとえ懲らしめるにしても、理由がわからないのだったら意味がない。
しかし往々にして呪いを発する人間というのは、他人の反応や意見などを取り入れることはなく、自己完結的なものということだ。
欲得ずくで生きているから、価値観を変えることは難しい。
呪い返しをやめればこちらがダメージを被るし、私が何か悪いことをしているわけでもない。
あちらは因果応報、自分が受けたものは、自分がもともと発したものである。
病院には近辺を巡回するバスの定期便があるから、交通費はかからない。
そのバスで駅に向かいながら、自分にはいいところがないと常々思っていたけれど、元夫から妬まれる程度にはうらやましい存在だったのだと思えた。
ある意味、身を呈してそのように理解させてくれたのかもしれないので、
そのあたりはありがたく受け取っておくことにした。